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Training Drill
友岡和彦の競技者のためのトレーニングドリル
第13回 「ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(パート1)」

ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(パート1)

 これから2回にわたって、フィジカルテストについて紹介したいと思います。現在スプリングトレーニングの真最中ですが、まず選手がキャンプインして、トレーニング前に必ず行うことが身体測定、また体力測定です。これまで、いろいろな測定を行ってきましたが、それがなかなか選手の身体の弱点やこれから傷害の起こる可能性を明確に予測することができませんでした。たとえば、サイベックス、分度器などを使ったハムストリングや肩の単一関節の可動域の測定などがあります。これらの利点は、客観的に数字で表せることにあります。しかし、これらの測定における動作は、重力のある3次元の空間の中に立った瞬間からそのようには行われることはなく、実際には人間の動作はまったく違った性質の動きを行うようになります。つまり、単一の関節だけで動作を行うことはなく、ほかの関節などと連動して一連の動きを生み出します。そして、どこかで正しく動作が機能しなければ、その代償運動として、それ以外の筋肉や関節に負担を欠けることとなります。たとえば、ハムストリングが正しく機能せず、可動域が低下しているため、トリートメントとして、ますストリングのあらゆるストレッチや強化を行うかもしれません。しかし、実際はムストリングだけではなく、どこかの筋肉が正しく機能しないためにその代償作用として、ハムストリングに負担がかかるということが多様にしてあります。(チェーンリアクション)このほかにも例を挙げるときりがないほどです。そこで今回は、バランス、コーディネーション、そして柔軟性に注目した基本的な7つのテスト(ファンクショナル ムーブメント スクリーン)を紹介したいと思います。これらのテストでは、プロ、アマを問わず多くのスポーツチームで用いられて、高価なマシンを一切必要とせず、子供からお年よりまで幅広くの年代の人に使えるテストです。これは、数値などによって客観的に表すことができないものの、ビデオなどに撮って動作を何回も確認することによって、なぜこのような動作が起きるのかを考えるようにすると、たくさんのことが見えてきます。ここでは、細かくどの筋肉が弱いから、または柔軟性がないからについては書きませんが、ぜひ一人一人の選手の動作を分析することによって、選手の弱点、また改善すべきポイントを探してみてください。きっと、その選手のグランドでの動作の「癖」や傷害の「原因」のようなものを発見できるはずです。いつものように、皆さんに考えるヒントを与えられればと思います。
*これらのテストを通常の測定に伴って、トレーニング前、そして一定の期間のリハビリやトレーニング後に行い、どれだけ向上したかを比較してみてください。

1. オーバーヘッドディープスクワットテスト

上半身、腕、股関節、膝、足首の動きに注目します。
  1. 選手は肩幅よりやや広めに足を開き、バーを肩幅で腕を伸ばして真上に持ちます。
  2. 選手は、その姿勢から床にかかとを付けた状態で、頭と胸を前に向けて、ゆっくりとスクワットの状態に下ろしていきます。
  3. この動作を3回行います。
  4. 選手が3ポイントを取れないときは、5センチ15センチ四方ほどの板の上にかかとを乗せて同じ動作を行います。
3ポイント 上半身が、脛骨と平行またはそれより垂直方向、 大腿骨が床と平行かそれより下、膝がつま先上、バーがつま先上にある
2ポイント 上半身が、脛骨と平行またはそれより垂直方向、 大腿骨が床と平行かそれより下、膝がつま先上にない、バーがつま先上にある
1ポイント 上半身と頚骨が平行上にない、大腿骨が床と平行より上に位置する、膝がつま先上にない、背骨が曲がっている
0ポイント その動作に伴って、痛みが発生する。

得点  
   
2.ハードルステップ

足首、膝、股関節、上半身の動きに注目

  1. 選手は、足をそろえて、ゴムバンドの真下につま先をそろえます。
  2. ゴムバンドを脛骨粗面の高さに合わせます。そしてバーを首の後ろに抱えます。
  3. 選手はゆっくりとハードルをまたぎ、後ろ足に体重を乗せ、まっすぐに伸ばしたままで、かかとを床に軽く付けます。
  4. 選手は、ゆっくりと元の状態に戻っていきます。
  5. この動作を3回繰り返し、今度は逆足で行います。
3ポイント 股関節、膝、足首が一直線上に位置し、背骨にはほとんど動きがなく、バーとゴムが平行に位置している
2ポイント 股関節、膝、足首が一直線上に位置せず、背骨に動きがあり、バーとゴムが平行に位置していない
1ポイント 足がゴムに接触、体のバランスが崩れる
0ポイント この動作に伴って痛みが発生する。

 
得点    

3.インライン ランジ

股関節の安定性と柔軟性、大腿筋の柔軟性、足首と膝の安定性に注目
  1. 頚骨の長さを測る
  2. 選手は、5センチ15センチ四方の角材の上に立って、右腕をうえ、左腕を下にして、バーを背中に持つ、このときバーは頭の後、下腰部に触れるようにする
  3. トレーナーは、角材に選手の右足のつま先から、前に測った頚骨の長さ分のところにテープを張ります
  4. 選手は左足を踏み出して、かかとをそのテープの上に乗せます。そしてその状態から、右ひざを角材につくまで下ろしていきます。このとき両足は一直線上にあり、この動作を通して常に前を向くようにします。
  5. 選手は3回この動作を行い、今度は逆手、逆足で同じ動作を行います。
3ポイント 上半身にはほぼ動きがなく、両足は角材の上で一直線上に位置し、膝がしっかりと角材まで下りている
2ポイント 上半身に動きがある、両足が一直線上にない、膝は角材まで下ろせない
1ポイント バランスを保つことができない
0ポイント この動作に伴って痛みが発生する

 
得点    

4.肩の可動性

肩の内旋・内転と外旋・外転の組み合わせによる方の可動域に注目
  1. 選手の手首から、中指の先までの長さを計り手の長さを測る。
  2. 選手親指を中にして握りこぶしを作る、そして右腕を上にし、左腕を下にして、背中で両手をくっつけるようにする
  3. 両手握りこぶしの距離を測る
  4. 逆手を行う
3ポイント 両手握りこぶしの距離が手の長さ以内
2ポイント 両手握りこぶしの距離が手の長さの1.5倍以内
1ポイント 両手握りこぶしの距離が手の長さの1.5倍以内にない
0ポイント この動作に伴って痛みが発生する

 
得点    

5.アクティブストレイトレッグレイズ

骨盤を安定させた状態での、ハムストリングとふくろはぎの柔軟性に注目
  1. 選手は、腕を横につけ、手のひらを上にして、地面に仰向けに寝る、そして、5センチ15センチ四方の角材を膝の下の置きます。
  2. 選手の上前腸骨棘と膝の関節(膝の皿の真ん中)の位置を確認する
  3. 選手は、テストするほうの足の足首を背屈させて、膝を伸ばして、上に上げていく、逆足の膝は常に角材に接触しているようにする、そして頭とか腰部は地面についているようにする
  4. トレーナーは、選手の内側のくるぶしにバーを当てて、地面に垂直に立てる
  5. 逆足も同じように行う
3ポイント バーの下が上前腸骨棘と腿の真ん中の間に位置する
2ポイント バーが腿の真ん中と膝関節の間に位置する
1ポイント バーが膝関節より下に位置する
0ポイント この動作に伴って痛みが発生する

 
得点    

6.トランクスタビリティプッシュアップ

体幹部の矢状面での安定性に注目
  1. 選手は手を肩幅に開いて、うつぶせに寝る
  2. 選手は、親指を頭のてっぺんに位置するように置き、両膝を完全に伸ばしきる
    女性は、親指をあごに位置するように起きます
  3. 選手は、その状態から1回腕立て伏せを行う
  4. 男性選手はその状態で腕立て伏せができなければ、今度は親指をあごに横に位置するように置きます。あごの位置に親指をおいて腕立て伏せのできない女性選手は、今度は、両親指を鎖骨の横に置いて腕立て伏せを行います
3ポイント 最初の状態から腕立て伏せができる
2ポイント 腰を下げすぎずに、第2の姿勢から腕立て伏せができる
1ポイント 腰を下げ気味にして、第2の姿勢から腕立て伏せができる
0ポイント この動作に伴って痛みが発生する

得点  

7.ロータリースタビリティー

上・下肢の動きに伴う体幹の安定性に注目
  1. 選手は、足首を低屈させ、膝股関節、肩を90度に曲げて、四つんばいの姿勢をとる
  2. 両膝、両手を5センチ15センチ四方の角材に横につける
  3. 選手は同じ側の手と足を床から離れるぐらいに上に上げていく、このとき上げたほうの手と足は角材と平行になり、また体幹部も床と平行になるような姿勢をとる
  4. その姿勢から今度は、上げたほうの手と足を下ろしていき、上げたほうのひじと膝をくっつけるようにする
  5. この動作を3回行う
  6. この動作を行えない選手は、今度は逆手逆足(右手と左足名)を上げ下げする
  7. 今度は逆側を同じ要領で行い,低いほうの得点を記入する
 
3ポイント 最低一回正しい動作を行うことができる
2ポイント 正しい姿勢で、最低一回逆手、逆足の動作を行うことができる
1ポイント 逆手、逆足の動作も行うことができない
0ポイント この動作に伴って痛みが発生する

得点  

  トレーニング前 トレーニング後
合計 /33 /33
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2005/01 第21回
「コンプレックス・ストレッチプログラム」
2004/10 第20回
「ファンクショナルストレッチ1 ―アクティブストレッチ―」
2004/09 第19回
「パワートレーニング ―コンプレックストレーニング―」
2004/08 第18回
「足首捻挫のファンクショナルリハビリテーションプログラム」
2004/07 第17回
「腰部のメインテナンスプログラム」
2004/06 第16回
「ショルダーメインテナンスプログラム」
2004/05 第15回
「ウォームアップのバリエーション」
2004/04 第14回
「ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(パート2)」
2004/03 第13回
「ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(パート1)」
2004/02 第12回
「マトリックスバランスドリル(パート2)」
2004/01 第11回
「マトリックスバランスドリル(基礎編)」
2003/11 第10回
「ダンベルマトリックス −上半身、下半身−」
2003/10 第9回
「フォームローラードリル」
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2003/4 第4回
「ミニハードルドリル」
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「メディシンボールドリル」
2003/2 第2回
「バランスボールドリル - 上半身、下半身トレーニング」
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