Training Drill
友岡和彦の競技者のためのトレーニングドリル
第9回 「フォームローラードリル」 |
質の高いトレーニングを行うのと同じぐらい大切なのが体のリカバリーです。リカバリーといっても、休息、有酸素運動、マッサージ、ストレッチなどさまざまのものがありますが、ここではフォームローラーを使ったセルフマッサージ・ストレッチ方法を紹介します。このフォームローラーは、手ごろな値段で手に入り、いつでもどこでも一人で行うことができます。エクスポズでは、ランニング後(特にスプリングトレーニング)、ウェイトトレーニングの後に使って、一人でできるということで選手たちにはとても好評でした。
以前トレーニングガイドで「体の連鎖反応」について説明しました。体がある動作を行うときには、筋肉、腱、靭帯、筋膜などの軟性組織、神経や中枢神経などの神経組織、結合組織(関節)が、ここ個別に機能するのではなく、下の図に示すように、お互いに作用しながら1つの機能的なユニットとして意図された動作を作り出します。

そして、もちろんその中の1つでも、正常に働かなくなるとそれがほかのものに影響し、その結果正しい動作が行われず、ある組織に過度な負担をかけたり、また不正確な動作を体に学習させたりしてしまうことになります。そしてその不正確な動作を繰り返すことで悪循環を引き起こし、筋肉のアンバランス、姿勢の崩れにつながります。たとえば、腸腰筋(軟性組織)が硬くなることによって、今度はその反対側の殿筋がしっかりと働かなくなります。それにより殿筋による股関節の伸展が欠如するため、結合組織(関節)の可動域が損なわれます。そこで中枢神経(神経組織)はそれを補うために、ハムストリングをさらに股関節の伸展に加わるように命令するようになります。こうして、お互いに影響しあって、連鎖反応を起こして、一連の動作を行うようになります。当然このような動作を行っていれば、関節、筋肉に負担を与え(股関節やハムストリング)慢性的な障害につながることもあります。その悪循環を打開するための1つの手段としてここでは、フォームローラードリルを紹介したいと思います。
| フォームローラーを使ったセルフマッサージ・ストレッチングにはいくつかの利点があります。 |
- 筋肉のアンバランスを改善する
- 可動域の向上
- 筋肉、腱の伸張性の向上
- 筋肉のはりや、関節の負担を軽減する
- 筋肉の最適な長さを保つ
- 筋神経系の効率を高める
| フォームローラー・セルフマッサージガイドライン (Mike Clark) |
- それぞれの箇所を1−2分ほどフォームローラーを使ってローリングするように動かしてください。
- はりや痛みを感じた場合は、そーリング動作をやめて、その箇所を30−45秒ほどフォームローラーで体重だけを使って圧力をかけます。(そのままフォーリング動作を行うと筋紡錘を刺激し、さらにはりや傷みを引き起こします。30−45秒ほどその箇所で止めて、圧力をかけていくことで、今度は筋紡錘への刺激を抑え、ゴルジ腱器官を刺激して、はりや傷みを和らげます。
- フォームローラードリルを行うときは、常に以前紹介したドローインマニューバーを行い、体幹を安定させます。
- これを1日に1−2回ほど行ってください。
ドリル例
(以下のドリルでは、ドローインマニューバーの状態で行います) |

背部 |

ハムストリング |

大腿四頭筋 |

ITバンド |

内転筋 |

腸腰筋・上部大腿四頭筋 |

殿筋・梨状筋 |

前脛筋 |

腓腹筋 |

腓骨筋群 |
| このほかに以下のような体幹スタビライゼーショントレーニングを行うこともできます。この詳しいドリルに関しては、また後ほど紹介したいと思います。 |
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