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Training Drill
友岡和彦の競技者のためのトレーニングドリル
第7回 「チュービングトレーニングドリル」
チュービングトレーニングドリル
今回はチュービングドリルを紹介したいと思います。野球をやっている方は、ローテーターカフ(インナーマスル)のトレーニングに軽めのチューブを使ったことがあると思います。ここでは、太目のチュービングを使って、通常のウェイトトレーニングに近い動きを行います。メジャーでは、180日間に162試合があり、いかにして疲労をためないでトレーニングを行うかということがキーになります。エクスポズでは、ウェイトトレーニングに慣れていない、特にピッチャーのトレーニング、また、ウェイトトレーニングによって基礎筋力、最大筋力をつけるためのトレーニングをしてきた野手は、コンプレックス(コントラスト)トレーニングの中で、重めのウェイトを使って速筋を刺激したあとに、チュービングを使った瞬発的な動作を行います。このように使い方によって、すべてのレベルの選手に応用することができます。以下にいくつかのチュービングドリルの特徴をあげて起きます。
終動負荷
チュービングの特徴として、チュービングの引き始めでの抵抗が小さく、チュービングを引っ張っていくにつれて抵抗が増してくるということです。つまり、可動域の最後のほうで最大の抵抗がかかるようになります。これは特に、「引く」という動作では、スポーツの実際に起こる負荷のかかり方と似ているという面でとても、機能的といえます(Carlos Santana, Functional Trainingより)。また、ダンベルやバーベルなどのウェイトを使ったチェストプレスやデッドリフトでは、可動域の最初の付近で関節に余計な負担がかかるとして、ピッチャーや腰の悪い選手には注意して行われています。しかし、チュービングを使うことによって、可動域の最初の部分での負荷を最小限に抑えることによって、スピードをコントロールして行えば、関節に余分な負担をかけることがありません。
すべてのレベルでのトレーニング
先に触れたように、ウェイトトレーニングに慣れていない選手には、スピードをコントロールすることで、低負荷で安全に行えるため最適なドリルです。また、試合前後のトレーニングとしても行うことができます。これまでウェイトトレーニングをしっかり行って、しっかりとした筋力がついている選手には、ダンベルやバーを使っては行うことのできない、素早いスピードで瞬発的に動作を行うことができます。特に、コンプレックストレーニングのドリルとして用いるのも効果的です。
方向性
以前トレーニングガイドの中で書きましたが、通常のウェイトトレーニングでは、主に矢状面か前額面の1面だけを用いてトレーニングを行います。しかし、グランドでの実際の動きを見ると、矢上面、前額面、そして水平面が合わさった動作を行っています。そして、チュービングドリルには決まった可動域がなく、3つの面を使ってトレーニングをすることが可能です。ウェイトルームで行う、決まった可動域での動作で主に主動筋を使うのに対して、チュービングドリルでは、可動域が制限されず、そのため協同筋や固定筋をさらに動員しなければならないのも1つの特徴です。
器具、スペース
器具やスペースが限られていても、チュービングを使ってトレーニングができるのは大きな利点です。エクスポズでも、試合後すぐにトレーニングをする選手が多くいるのですが、遠征中で相手チームのウェイトルームが使えなかったり、また、時間がないときにローカルームでサーキットトレーニングとして行うことができます。
チュービングドリル例
■上半身■
1.ダイアゴナルショルダープレス
骨盤を回転させながら、チュービングを斜め上方向へ左右交互に引き上げます。
2.アップライトロー
骨盤を回転させながら、左右交互にチュービングを引いていきます。重心を拇指球に乗せるようにしましょう。
3.ベントオーバーロー
背骨をまっすぐにして、上体を倒します。その状態から、左右交互にチュービングを引っ張ります。バリエーションとして、片足で立って行うことで、さらに全身のバランスを整えることを必要とします。
片足でのベントオーバーロー
4.チェストプレス
上体をやや前傾気味にしてバランスを取り、その姿勢から左右交互にチェストプレスの動作を行います。バリエーションとして、両足を前後に開いて、さらに骨盤の回転を利用してチェストプレスを行うこともできます。
■下半身■
1.ランジ・サイドランジ(減速)
多くのドリルでは、加速の動作をトレーニングしていますが、怪我が起こりやすい減速の動作をトレーニングしていない場合があります。そこで、ここでは通常のランジの動作にチュービングを使って行うことで、さらに速の動き(エクセントリック=筋肉の伸びる動作)をトレーニングします。肉離れをしたことのある人は、特に気をつけてこのドリルを行ってください。下の写真は、前方へのランジ、サイドへのランジのドリルです。
ランジ
サイドランジ
2.シングルレッグスクワット
チュービングを柱に結び、その反対側を腿につけます。チューブを少し伸ばして片足で立ちます。その状態から膝が左右にぶれないようにまっすぐ下ろしていきます。
殿筋を意識して行う
内転筋を意識して行う
3.デッドリフト・シングルレッグデッドリフト
主に殿筋、ハムストリングを使うドリルです。背骨をまっすぐにして上体をゆっくりとハムストリングにストレッチを感じるまで倒していきます。それから元の状態に戻していきます。
チュービングデッドリフト
チュービングシングルレッグデッドリフト
4.股関節―内転、外転
外転
:チュービングを柱に結び付け、その反対側のチュービングを足首に結びま す。ひざを台の上に置き、それを支点として股関節の外転動作を行います。同じようにチュービングを使って
内転
動作も行ってください。
■体幹 ■
体幹ドリルを行うときは必ず「ドローイン」どうさをおこなうようにしてください。
「トレーニングガイド」の体幹トレーニングの章
を参照してください。
1.サイドローテーション
肩やひじを使わずに、体幹部を使うように意識して、チュービングを横に引っ張ります。そして、ゆっくりとスタートのポジションに戻していきます。反動でチュービングを引いたり、戻したりしないようにします。
2.オーバーヘッドチュービングクランチ
チュービングを両手で頭上で持ち、片足、また両足で立った状態で、腹筋を意識して上体を前方に倒していきます。その上体から、ゆっくりとスタートの状態に戻していきます。
3.バランスボールロシアンツイスト
頭をバランスボールの上に乗せ、腰をしっかりと上げた上体を保ちます。この姿勢から、片側からチュービングを腹筋を使って、上に引っ張ります。そして、元の状態へゆっくりと戻していきます。
4. チュービングウッドチョップ
メディシンボールを使ったウッドチョップの要領で、斜め下にチュービングを引いていきます。このときほかのドリルと同様に、腕を使って引き下げるのではなく、体幹部を使って引き下げていくことを意識するようにします。
これらのドリル例を参考にして、チュービングの特徴をうまく活用して、トレーニングプログラムのバリエーションとしてぜひ加えてください。これらのドリルが少しでも、皆さんのチームや選手の役に立つことを願っています。
チュービングはこちらでお求めいただけます。
(強度にわけて4種類のチュービングをご用意しております。)
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バックナンバー
2005/02 最終回
「スポーツスペシフィックトレーニングの例」
2005/01 第21回
「コンプレックス・ストレッチプログラム」
2004/10 第20回
「ファンクショナルストレッチ1 ―アクティブストレッチ―」
2004/09 第19回
「パワートレーニング ―コンプレックストレーニング―」
2004/08 第18回
「足首捻挫のファンクショナルリハビリテーションプログラム」
2004/07 第17回
「腰部のメインテナンスプログラム」
2004/06 第16回
「ショルダーメインテナンスプログラム」
2004/05 第15回
「ウォームアップのバリエーション」
2004/04 第14回
「ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(パート2)」
2004/03 第13回
「ファンクショナル・ムーブメント・スクリーン(パート1)」
2004/02 第12回
「マトリックスバランスドリル(パート2)」
2004/01 第11回
「マトリックスバランスドリル(基礎編)」
2003/11 第10回
「ダンベルマトリックス −上半身、下半身−」
2003/10 第9回
「フォームローラードリル」
2003/8 第8回
「自体重ドリル」
2003/7 第7回
「チュービングドリル」
2003/6 第6回
「ミニバンドドリル」
2003/5 第5回
「マイクロハードルドリル」
2003/4 第4回
「ミニハードルドリル」
2003/3 第3回
「メディシンボールドリル」
2003/2 第2回
「バランスボールドリル - 上半身、下半身トレーニング」
2003/1 第1回
「バランスボールドリル - 体幹トレーニング」
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